蔦屋雑文堂

大江戸珍味ベトナムを行く・・其の壱

まいどです。お元気ですか。日一日とあたたかくなって、あぁ春なのね、とうれしくなります。

 先日、ベトナム社会主義国のサイゴン(ホー・チ・ミン)へ行ってきた。なぜ、ベトナム…と聞かれることが多かったが、理由は簡単。文章でごはんを食べる者の多くはきっと読むであろういくつかの書物を読むと、むずむず行きたくなるもんです。今はけっこうブームだが、実は10年ほど前に一度行こうと予約したことがある。当時は、「ベトナムへ行こう」なんてこと自体が無茶苦茶珍しかったので、ツーリスト会社にとっても奇異に見られたもんだ。結局は出発直前に入院するハメになっておじゃんになった。で、やっと行く機会に恵まれたわけです。

 タンソンニャット空港に着くなり、機内アナウンスで「スリにご注意ください」と忠告。機内アナウンスでさえ、この調子だからよっぽど凄い街なのだわ、と改めて腹をくくる。空港から出ると山盛りの人。「タクシー、タクシー」と呼び込んでいるのだが、もうその数の多さにいきなり圧倒される。ベトナムはビザを取ると、その日の宿泊ホテルと送迎がセットになってくるのだが、出迎えの人を見つけるまでは、けっこう肝が冷えた。「こわいやん」…。

 町中は走るよ走る、バイクとチャリンコ。合間を縫うように車が走る。バイクとチャリンコの数は、ハンパじゃない。しかもほぼ無法地帯だ。中央線なんておかまいなし、車といつ接触事故起こしてもおかしくないくらい、前にぎゅんと割り込んでくるし、近寄ってくる。シンガポールと香港は知っているが、そんなもなぁアジアでも上等だったんだ…と納得。ヨーロッパもオーストラリアもヘである。生き馬の目を抜く江戸なんてのも屁だ。この街こそ生き馬も生き人も全部目を抜かれるぞ。「海外旅行障害保険に入っててよかった…」と感じたのは、実際、この旅が初めてである。

 

 首都ハノイを東京とするなら、サイゴン(本当はホー・チ・ミンだけれど、誰もそんな名前をいわない。サイゴンサイゴンだ)は大阪に匹敵する商売の街。「どこが社会主義やねん」というくらい、ホテル、商業ビルの建設ラッシュ、営業意欲満々の店やら売り子やらシクロ(輪タク)のおっさんやら…とにかくエネルギッシュ。ちなみに最近はぼったくりシクロ野郎が横行しているとか。最初は1時間1ドルね、なんていっておいて、最終的には1分1ドルで計算しやがる悪徳業者もいるそうだ。ところでお金の単位は、98年2月現在で1USドル=129円=12900ドン。ビールが6000〜8000ドンで、クロワッサンのでかいのが2500ドン、ミネラルウォーターが8000ドン、飯は単価はわからんが、3人で腹一杯食ってビールもついて80000ドンぐらいだ。物価は安い。

 子供のモノ売りが親切そうに「カバンアブナイヨ」と言ってくれるし、ホテルのねぇちゃんも「カバンアブナイ」と言ってくれるので、忠告に従ってウエストポーチをたすきがけにして歩く。(これが後ほど、あぁ良かったにつながるので、人のいうことは聞くもんだ)。初日だし、かなりどきどきして街を歩く。路上でメシをヤンキーずわりして食う人、果物や得体の知れぬナニモノカを売るおばやん、いきなり無言で手をだしてきて、お金を無心する人…ほぼ100パーセント、じろじろじろじろ好奇心丸出しで見てくれる。海外旅行では、いつなくなってもいいような、どーでもいい恰好で行くことにしているが、といっても日本人ってやっぱり贅沢なんだ…と実感。服装がどんなにどーでも良くても、それはこっちが思っているだけで、やっぱり贅沢なんだ。どーでもいいようなTシャツにワークパンツという出で立ちだが、町中を歩いていると、目立つ。 1日目のホテルはボンセン2。「地球の歩き方」なんぞ見ていると、安いホテルだし、ボンセン1に比べるとさらに割安、と書いてあったので、たいして期待もしていなかったが、しゃれたシティホテルでしたぞ。ここのホテルはビザについてきたホテルなので、恐らくベトナムへ行く人も利用することがかなりの割合であるだろうが、ここは期待してよし。部屋はせまいが、日本のシティホテルとタメはるぞ。

 翌日は、飛行機で1時間の海辺のリゾート地ニャチャンへ向かう。さて、ここからがベトナムのベトナムたる本領発揮なのだ。今回、私は旅行テーマとして「フランソワ・モレシャンが訪ねるプチ・パリ、ベトナムサイゴンの旅」なんてのをイメージしていたが、望まずして「猿岩石」になっちまった。というのもすべてはニャチャンから始まる。続きは次回。乞ご期待。

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