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プチホテルゆばらリゾートの館主で湯原町旅館協同組合の理事長と湯原観光協会長を兼務する古林伸美さん運転の英国製リムジン
(通称ロンドンタクシー)で、エコツアーに出る。古林さんは持ち前の明るく前向きなキャラで、湯原再生のための仕掛けを矢継ぎ
早に打ち出してきた。「温泉場で生活しているのに湯原温泉のことを知らない」ことに気づいて始めた「温泉指南役」制度。
湯原温泉病院と提携しての「湯けむりドック」。川上俊爾院長は「温泉でリラックスして、心安らかに自分の健康と向き合う」宿泊プ
ラン付き人間ドックを、積極的に支援している。古林さんと川上院長の話を聞いていると、意思の疎通が実にうまくいっている。
二人の触媒は湯原温泉に対する愛情である。[現代の湯治場につなげるために、私たちが率先して環境に優しくなくてはならないことに気づきました。
湯原は都会の人々を癒やす場です。温泉は自然の一部ですから、自然に優しくなくして、お客さんにも優しくはできないとーー」湯原地区の宿や一般家庭の天ぷら油を回収して、川の汚染を防ぐ一方で、天ぷら油精製燃料を実用化し、現在、宿の送迎車など、約二十台のバイオディーゼルカーを走らせている。「二〇〇八年は七万リットルのバイオディーゼル燃料を作り、CO2を百九十トン削減した計算になります」と古林さんは胸を張る。「うちの宿では、宿泊客から天ぷら油を一認五百円で買い取ります」と笑う。古林さんの宿では、地場の新鮮な食材を使うため天ぷら油はあまり出ない。これも二台のロンドンタクシーの燃料を確保するたの古林さんならではのアイデアなのである。湯原を訪れるのは四年ぶりだったが、ここの経営者達は、私の期待をはるかに越えて、世界にも通用する温泉地へ歩み出している。
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古林さんの案内の後、旭川をせき止めた湯原ダムの真下にある共同露天風呂「砂湯」につかった。
大小三つの岩に囲まれた湯船があり底の砂間から透明な温泉が湧(わ)き上がる。平安時代、湯原周辺ではたたら製鉄が行われて過酷な仕事を終えた先人達が
ここで疲れを癒やしたのが始まりだともいう。混浴だが、これほど手入れされた露天風呂を無料で開放し続ける湯原の人々のホスピタリティーには頭が下がる。
”優しさ”は時代のキーワードである。
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